ヨットを創る

林賢之輔氏             
(林賢之輔設計事務所)        
1997年10月13日           
第12回セーリングヨット研究会にて講演

目次

デザイナーの仕事
ラインズとレーティングルール
デザイナーの自分史
気になっていること
Appendix レーティング・ルールの変遷

図はクリックすると大きくなります


 今回は、「ヨットを創る」という題目で話をする羽目になりましたので、自分がやっていること、やってきたことを正直に白状するしかないと覚悟しておりますが、そのほかにレーティングについても、ちょっと触れてみたいと思っております。ヨットデザイナーならレーティングルールはよく知っていますが、あまり一般的ではありませんから、ざっとご説明することによって、ヨットの全体の形というものが、どうして決まってくるかということがご理解いただけるのではないかと思います。最後には、ヨットデザイナーとしてちょっと困っているといったことも、問題提起としてお話ししたいと思います。

 

デザイナーの仕事

 

 ヨットデザイナーの仕事というのは、デザイン事務所の規模にもよるでしょうが、私のように一匹狼ならぬ一匹子羊でやっていますと、一人何役でもやらなきゃいけない。設計業務そのものの他に、製造中の管理も入ってくるし、営業マンとしてお客さんにも会わなくちゃいけません。お金の勘定から事務所の掃除まで、なんでもやるという状態です。それと比較的時間がかかるものとして、ヨットクラブのボランティアがあります。日本外洋帆走協会というのがありまして、現在そこの技術担当理事というのをやっていますから、計測技術関連の仕事がかなりあります。昨日も実はメルボルン-大阪ダブルハンドレースの第一回実行委員会というのが大阪でありまして、行ってまいりました。とにかく、何でもできることをどんどんやっていかなければならないという風に考えております。

 設計業務そのものについても、外洋ヨットにはいろいろな設備がありますから、一通り何でも知ってなければいけません。もちろん基本的には造船学が必要なのですが、外観も美しくアトラクティブでなければいけないわけです。この関係では、いわゆるインダストリアルデザインといったものも関わってきます。ほんの細かいところの角の丸みとか、いわゆるハイライトラインといったものによって、船の印象がずいぶん違ってきます。

 それから船内に入りますと、これはもちろんインテリアデザインの世界です。船のタイプによって違いますが、木工とか家具だけでなく、テクスタイルデザインも入ってきるし、カラーコーディネートなども必要です。それから台所もあります。調理器具はLPGを使いますが、高カロリーバーナーとかトロ火が欲しいときはどうするとか、そういうことも一応知っていなければなりません。あと配管工事や電気の配線工事があります。最近は交直両方を使う船もかなり多くなってきました。こういう船では、電食の問題がかなり深刻になります。これは原理は簡単なんでしょうけど、現実には、きちっと処理しろと言われると非常に難しい。教科書通りにやっても電食が起きてしまって、よく分からないということもあります。それから、もちろんエンジンとプロペラがありますから、一応の計算はできなきゃいけない。あとトイレですね。ヨットのデザイナーは、大抵トイレの分解掃除はやらされているものです。

 こういった意味で、ヨットのデザインというのは、ディテールの集合体なわけで、完成度の高い船を造ろうとすればするほど、ディテール一つ一つにこだわっていかなければいけない。ただ我々としては、それぞれの分野のプロにはとてもかないません。たとえば木材についていえば、大工さんのほうがはるかに知っているし、FRPについては、FRPの職人さんのほうがはるかに詳しい。もちろん我々も一応計算はできるわけですが、実験室のデータと現場のデータが違うんですね。

 それから、こちらのセーリングヨット研究会と関わりがあるのは、もちろん流体力学の部分でしょう。ただし、アメリカズ・カップ艇とかレース艇を専門にやっていると、流体力学の比重が非常に大きいんですが、いま私がやっている仕事の中では、むしろ構造設計というか、いかに軽くて頑丈な船をつくるかというほうが難しい部分です。

 もちろんクルージングボートでも、基本的に軽量で堅い船の方がいいわけです。しかし構造設計に関しては、設計法にある程度の曖昧さがあって、経験則というか、構造ルールのような形でしか与えられていません。我々が今使っている構造ルールとして、ABSのORY (Offshore Racing Yacht)、それと15m未満を対象としたNVルールというのがあります。メタルであれば「軽構造」、FRPだと「特殊基準」あたりを使います。しかし、それで必要かつ十分かと言われれば、ずいぶん強度が余る部分もあるし、極端な例を考えれば、ちょっと足りない部分も当然あると思うんですね。その辺の最終確認と、どのくらいの寿命を考えるべきなのかという問題があると思います。構造計算とそれに伴う重量、重心位置の計算、これはひたすら四則演算の世界で、忍耐と努力でやるわけですが、実際に設計を進めていく中で時間的にはかなり大きな比重を占めています。

 セールプランについては、ごく当たり前な手法としては、排水量とウェッテッドサーフェスやスタビリティに関するデータを比較するのと、後はヘルムのバランスを考えます。つまりキールとラダー、いわゆるアペンデージの揚力やリードの計算から決めるわけですが、その場合に、キールの側面積や重心の上下前後の位置、それとトータルが合うか合わないか、その辺が問題になります。大抵の場合、キールの重心位置がもうちょっと前に来て欲しいのに、ヘルムから言えばもうちょっと後ろに欲しいといったことも起きて、難しいですね。

 セールプラン全体の形は、大体決まってしまっているというか、とてつもないセールプランというのはあり得ない。一つにはルールの規制というのがあります。ヨットのルールから、かなりいろんなことが決まってしまいます。ですから本当を言えば、全ての規則を無視できれば、面白いものができる可能性があります。

 それから、アコモデーションを考える場合には、人間の寸法というのは変わりませんから、船の大きさが大体決まれば、それに当てはめる作業になります。船が大きくなるとボリュームもずいぶん増えますから、お客さんの要求がとたんに増えてくる。その全部はかなえられないので、どれかを切り落とさねばいけないわけで、切り落とす作業がうまくいくと、長く喜んで使ってもらえます。設計の依頼があったときには、そこを十分に話し合います。その人の家族状況といったものを聞いて、ある程度先の変化を予想して考えるといったことも、多少はやります。

 ヨットには何にも要らないという人も、中にはいるようです。修道士とか坊主のような禁欲的な考え方でセーリングしていらっしゃる。そういう方は何も要らない、エンジンなんかとんでもないというわけです。逆に、なるべく便利なものを全部欲しいという方もいらっしゃる。こういったクライアントの性格も、船の性格を決定づける上で影響が出てきます

 船には、本当にいろいろなタイプのものがありますが、今申しましたように、その人の人生観による部分というのがあるので、あまり他人がとやかくいう筋合いではないなとも思います。たとえば、リブ・アボードというタイプの船があります。これは船上生活的な要素が強調されたタイプで、もう何でもかんでも積んであるわけですね。私でさえ見たことないようなものが積んであったりして、聞くとそれはもう嬉しそうな顔をして説明してくれます。最後には、もしこれが飛行機だったら離陸できないんじゃないですかというと、大抵分かってくれますけど。

 設計作業には、現在私のところではAutoShipというソフトウェアを使ってます。ラインズとハイドロ計算、スタビリティ計算はこれが簡単にやってくれますが、細かいところのフェアリングをやらせると時間が掛かりますので、昔取った杵柄で手でやっています。大体自分の中に、こういうタイプの船だったらこんなフォームでいいだろうというイメージができていますし、いままで良かったなと思う船の図面が目の前にありますから、それらを基本計画の中で当てはめていくと、わりと簡単にラインズが作れます。

 

ラインズとレーティングルール

 

 それじゃラインズは、もともとはどうしてできたんだろうかと考えると、実はレーティングルールに突き当たるわけですね。Appendixをちょっと見ていただきたいんですが、今はIMSという時代になっています。その前はIORの時代で、その前は何かといえば、イギリスのRORCとアメリカのCCAルールというのが両方あって、それらが混合されてIORになった。いっそのこと、ずっと前までたどってしまうと、Tonnage Ruleというのに行き当たります。とにかく最初は嵩で考えてたわけです。それから、Builder's Old Measurementというのもあります。式を見ると、

       
というもので、その頃の船では、大体深さがBの半分ぐらいだったんだということが分かります。Thames Tonnageというのも、同じようなルールです。これらのルールではBが非常に強調されていますから、幅の狭い船になります。それが極端になったのが、プランク・オン・エッジという、図1のような、非常に幅の狭いタイプのものです。セールエリアの制限がありませんから、最後の方ではセールが非常に大きくなっています。こういうタイプの<ファイアクレスト>という船で世界一周をした、アラン・ジェルボーという人の本を昔読んだことがありますが、苦労話ばっかりだったように覚えています。

図1 プランク・オン・エッジ

 世界一周といえば、それと対照的な設計なのが、スローカムさんの<スプレイ>です。コースター漁船というのを改造したものですが、図2のような喫水の浅い巾の広い船です。アメリカには、今でもわりと巾が広くて浅い船がありますね。

 図2 <スプレイ>

 プランク・オン・エッジ・タイプの最後というのは、<ウーナ>という船だということになっていまして、この船の要目が面白いですね。全長は10.4m、巾が1.7m、ドラフトが2.4m、セールエリアが120m2ぐらいです。別の資料にはトータルで2,000ft2のセールを上げとありますから、200m2弱ぐらいのとんでもないセールです。この船は、最後には座礁して全員死亡しました。

 そんなこともあって、これに対する反省が出まして、Dixon Kempという


   

こういうルールができました。ここで初めてセールエリアが出てきます。これを作ったケンプさんはイギリス人ですけど、その頃にニューヨークの方で出てきたSeawanhakaという名前のルールも、似たようなもので、

   

 

というものです。このルールの船は、最後にはいわゆるスキミングディッシュという、図3のようなスタイルの、巾がわりと広くて、浅くて軽いタイプになります。

 図3 スキミング・ディッシュ(1894)

 これらのルールでは、レーティングは長さ、つまりレーテッド長さで表して、それを基にしてタイムアローワンスを与えています。タイムアローワンスというのは、所要時間に対して修正時間を与える方法で、普通、1マイルあたり走るのに必要な秒数で表します。その値を固定したレベル・レーティングとかフィックスト・レーティングと呼ばれるクラスが、いわゆるレーター・クラスということになります。このスキミング・ディッシュ・タイプの最後のレース艇の頃は、もう毎年作らないとレースに勝てないというようになりました。造艇競争が盛んになればなるほど、そのクラス全体が廃れるという傾向になるわけです。

 図4 <グロリアナ>

 それでも、アメリカにハーショフさんという天才的なデザイナーがいまして、Seawanhakaルールの最後の辺りに、図4の<グロリアナ>という船を造っています。これは非常に良く走った船で、現在のオフショア・レース艇の元祖みたいな船だと考えられています。

 その次のYRAルールで、ガースのメジャメントが取り入れられました。

   

はスキンガースで、表面に沿って計るということですから、スキミングディッシュでは、非常に大きくなる。ガースを取り入れることによって、こういった傾向を止めようと思ったんですが、なかなか止まらなかったようですね。

 次のIYRUのときに、

   

というように、ガースディファレンスというのが出てきます。これはスキンガースと見かけのガースの差です。それからフリーボードも入っています。IYRUのレーティングはメーターで表したので、このルールから6メーターとか8メーターとか、例の12メーターとかの、いわゆるメーター・クラスが出てきます。その下に書いてあるIYRU(Revised)というのは、

   

こういうもので、つい最近まで12メーターのルールそのものとして生きていました。

 一方アメリカでは、さっきのハーショフさんのルールが出てきて、ディスプレースメントが初めて使われます。

   

このは全長ではなくて、クォータービームの長さ、つまりセンターラインからだけ離れた点での、甲板上の長さです。

 また、IYRUの方のイギリスの側のルールとも一応統合しましょうということになって、

   

 

という形のUniversal Ruleというものもできます。これからは、例の有名なJ-Classのヨット(図5)が生まれます。

図5 Jクラス・ヨット

 ところで、こういうレーティングとは全く無関係に、非常にヨットデザインに影響を及ぼした船として、ノルウェーの造船設計家のコリン・アーチャーさんが設計した、図6のようなコリン・アーチャー・タイプというのがあります。帆走漁船とかパイロット船といった、非常に耐航性の高い船を基にしたもので、北大西洋での荒天に耐えられるといわれます。このタイプはいまでも少し見られるようで、ノックス-ジョンストンさんという人が世界一周した<スハイリ>もそうです。

 図6 コリン・アーチャー・タイプ

 その次にBRAと書いてあります。

   

Boat Racing Associationの略ですが、これはイギリスの連中が、もっと小型で安い船でレースしたいというので作ったもので、SeawanhakaとUniversalをくっつけたようなものです。今のRORC(Royal Ocean Racing Club)が設立されたときに、第一回のファストネットレースが行われたそうですが、そのときに、このルールをリファインしたものが使われています。

その次はRORCの1931年で、

   

という形です。この当時、ディスプレースメントは図面から計算していたのですが、図面通りに浮いている船は非常に少ないし、図面のない船もあるというので、代わりにで置き換えたというわけです。その当時CCAは、Universal Ruleをわずかに変えたようなルールを使っていたそうです。

図7 <ドレード>

 この年代で、一番私の好きなオーシャンレーサーというのが、オリン・スティーブンスという人が設計した<ドレード>という船です(図7)。オリン・スティーブンスさんは日本にも何回か見えて、私もお目にかかったことがありますが、今年89才になったそうです。この船は30年代の初めに、彼が24才か25才で設計して、大西洋横断レースでファースト・フィニッシュしました。その後イギリスのレースなどでも圧倒的に勝ってます。ヨットのベンチレータでドレード・タイプというのがありますが、それはこのドレードで最初に使ったということから名前がついています。

1957年にはRORC Revisedになりまして、この辺から今の話になってきます。

   

      

 ここで活躍したボートには、たとえばイギリスの海軍大佐でジョン・イリングワースさんという人のために、ローレン・ジャイルズが設計した<ミス・オヴ・マラム>というのがあります(図8)。ただしこの船は、ルールをかなり悪用してまして、そのころはをシアラインから計ったために、高いフリーボードを与えて見かけの、したがって見かけの排水量を増やすというようなチーティングをやらかしました。軽量化も目指した船で、かなり優秀な成績を収めています。

図8 <ミス・オブ・マラム>

 RORC Revisedにはスタビリティ・アローワンスというのがあります。その中身は、フリーボード、スカントリング、シャロー・ドラフト、アイアン・バラスト、アルミニウム合金マストなどに対するアローワンスです。このルールは、1960年代には日本の外洋帆走協会でも採用しています。その当時日本外洋帆走協会では、実測をせずに図面計測でやっていました。私がNORC(日本外洋帆走協会)に入れて頂いたのは1968年ですが、入ったとたんすぐに計測を手伝えといわれて、計測委員にさせられました。その辺から計測とのおつき合いが始まっています。

 それからセールエリアですが、いわゆるI、J、P、Eというのがあります。フォアトライアングルを囲む、それにメインセールのラフとフットですね。以前のRORCでは、このフォアトライアングルの三角形の85%を算入していました。多分、実際のセールエリアがそんなものだったのでしょう。そうしますと、ジブをどんどん大きくする方が得なわけですね。ジェノアジブという、30年代頃にイタリアのジェノアで開かれた6メートル世界選手権で始めて使われたと言われている、オーバーラップの大きなジブがありますが、こういうものでも、85%のジブの場合と変わりませんから、どんどんフォアトライアングルが大きくなって、最後にはマストヘッドリグに行き着きます。後に85%から100%に変更になりましたが、それでもRORCの時代には、大きなを持ったジブと、わりと小さいメインセールという組み合わせが非常に有効でした。

 RORCの長さの計りかたは、いわゆるガースの長さを測るんですが、船の最大幅に対して、たとえばバウの方でガースが1/2Bの長さの場所、後ろの方は3/4Bの場所の間をとして、オーバハングの様子によって修正を加えるといったことをしています。

 一方アメリカのCCA Revisedの方では、

   
      
      

というルールですが、長さの計り方はプロフィールだけで決めています。4%ウォーターラインという、ウォーターラインから少し上がった所を取って、そこを計測ステーション、つまり長さの基準点とします。これだと、プロフィールでが決まるので、プロフィールの形が自ずから変わってくるわけですね。またCCAでは、その計測された長さに対して、ベース・ディスプレースメントとか、ベース・ビームとか、ベース・ドラフトといった基準値を設けて、そこからの偏差でを修正していくといった考え方をしています。結果として、このルールではわりと重排水量の船が優遇されました。

 このCCAは東海岸の話なんですが、一方西海岸ではちょっと違ったトレンドがあって、CAL 40に代表されるような軽排水量の船が出てきました。セパレートキールにスペード・ラダー(ハンギング・ラダー)を持つ、ウォーターラインの長い船です。トランスパシフィック・レースという、ロスアンジェルスからハワイまでのダウンウィンドレースがありますが、そこではこういう船が非常に強いんです。東海岸の潔癖な人たちからはかなり嫌われてましたが、勝てば官軍です。この艇はRORCのレースにも出ていますが、やっぱりRORCのルールのもとでは良くなくて、勝ってません。

 ところで、スキミング・ディッシュなんかも、セパレートキールといえないことはありませんが、ほんとに近代的な、エアロフォイル・セクションを持ったキールとバランスド・ラダーの組み合わせというのは、ヴァン・デ・シュタットさんが第二次大戦後に作ったのが初めてじゃないかといわれてます。ブランジール合板で作った、ハードチャインの40フィート・オーシャンレーサー<Black Soo>で、残念ながら図版が見つからなかったのですが、当時としては非常に軽くて巾の狭い船です。実は、セパレートキールとバランスド・ラダーの組み合わせというのは、わりと最近まで、みんなには受け入れられていませんでした。たとえばアメリカズカップでいえば、67年の<イントレピッド>なんかは、セパレートキールとはいえないようなもので、70年のでやっと、トリムタブ付きのセパレートキールといえるかと思います。CAL 40なんかも60年代ですから、やはりヴァン・デ・シュタットさんが最初に考えたことだと思います。

話を戻しますと、とにかくCCAルールとRORCのルールとがかけ離れてしまって、レースを一緒にしようとしてもできない、そんな馬鹿なことはないんじゃないかというので、IOR 、International Offshore Ruleというものを作ろうという雰囲気が出てきました。この動きは1967年頃から始まっていまして、最初にOffshore Rating Councilというのができました。その後ちょっと綴りが変わって、Offshore Racing Council(ORC)になり、現在も使われています。

   

 このように、IORは基本的にRORCのルールとCCAのルールを足したようなものですが、どちらかというとRORCのルールをより多く取り入れるような形になっています。長さのはガース間距離、それからディスプレースメントがやはりで代表されていますが、実はこういつたところが、後々非常に問題になってきます。というのは、見かけのディスプレースメントを引き出すために、船体に異常な突起を付けるということが行われたわけです。要するにルールでは、ミジップセクションあたりで計るデプス計測の断面形状は、センターラインからの1/8、2/8、3/8離れた位置で計りなさいということになっている。そうすると、そういうとこでポコッと出っ張らせるわけですね。滑らかな船体としてそういう風に作るのは難しいので、作っといてから後でパテで盛りつけて出っ張らせる。いわゆるバンプというのがこれです。ルールメーカーとしては、オリン・スティーブンスさんが非常に有力な役割を果たしているわけですが、軽排水量に対する配慮が足りなかったというか、念頭になかったというような感じです。

 それからIORの中で一番問題になってきたのは、CGF、Center-Of-Gravity Factorという項目です。これは、スタビリティはパワー源だというはっきりした認識のもとにできているものです。実際に傾斜テストをやりまして、1度傾斜時のを出します。それから、ハルの計測値を利用しての比みたいなものを出して、そこから計算します。これはレーティングに掛け算で入りますから、非常によく効く。それで意識的に重心をあげる船が出てきたわけですね。もちろん歯止めとしては、90度ヒールでのライティングアームが非常に小さい値になると、レーティング証書にウォーニングが出るようになっているんですが、そんなことをやっても、アウトサイドバラストの重量をまるで小さくして、その分どんどんインサイドバラストを積むというような、外洋レーサーとしては不健全な船になっていった。結果的にバニッシングアングルが100何度とか、そんな船が現れるようになり、どんどんレーサー化して、平らで幅が広く、転覆しても起きてこないというような船が出てきました。79年にファストネットレースで15名死亡する大事故が起きましたが、その後RORCでも、当時U.S.YRUといったアメリカの協会でも、転覆に対する調査と研究が行われまして、要するにIORは危ないということになりました。

 私の個人的な名誉のために申し上げておくと、たまたま実際にレースから離れていたこともありますけど、IORのレース艇の設計の依頼が来ても、危ないからやめなさいといって、やりませんでした。1艇だけやったのがあるんですが、それはオーナーが霞ヶ浦だったんで、まあいいかというんで設計しました。霞ヶ浦のレースで圧勝すると、やはり外に出て行きたくなって、大洗の外洋70マイル位のレースに出てよく走りました。相模湾でもそこそこ走ったもので、鳥羽レースに出ようということになって、負けたら全員丸坊主というような意気込みで出たんですが、結果的には非常に惜しいレースでした。鳥羽から神津島回って三崎まで入るレースですが、神津島まではとにかくダントツで、周りは大きい船ばっかりだったんですが、そこから先コースを間違えてしまって、残念でした。今でも悔しいと思ってます。

 とにかく、IORはいわゆるタイプフォーミングのルールだったんですね。IORタイプという船を生み出した。そのタイプがあまり外洋ヨットにとって好ましいものではなかったということから、だんだん下火になってきたというわけです。

 もう一つ、さっきちょっと申しましたが、タイムアローワンスと申しますか、ハンディキャップをつける方法に問題がありました。レーティングを長さで表して、それに対してハンディキャップを付けるわけですが、これにはタイム・オン・タイムという方法とタイム・オン・ディスタンスという方法があります。初めのは所要時間、エラップスト・タイムに、修正係数を掛け算をして、コレクテッド・タイム、修正時間を出す方法ですね。後のは、1マイル当たりを何秒で走れるかというタイムアローワンスに、レースの距離をかけて、あなたはこのレースに対して何秒あげますよという修正方式です。いずれにしろ、このハンディキャップを与える方法というのが、計測ルールに比べて曖昧さを含む経験則だったんですね。こういうハンディキャップのやり方に不満があったものですから、もっと正しいハンディキャップを与える方法はないかということになって、その船のもともと持っているスピードをエスティメートしちまえということで、IMSになりました。前身は、Measurement Handicap SystemといってアメリカのMITが中心になって開発されたもので、それがInternational Measurement Systemという形で現在使われています。これはいろんな風向風速に対して、この船は何ノット出せるはずだということを計算して、それをベースにハンディキャップを与える。いわゆるマルティプルハンディキャップなんですが、これが、今一番いいとされています。

 ハンディキャップレースというのは、結局は不満が残るものです。レースで勝つのはいつも一人で、残りは負けるわけですね。負けた人は、もちろん敗因を考えますが、あのレーティングはおかしいんじゃないかといったエクスキューズも当然考えるわけです。ルールは大体20年か30年でだめになるようですね。レースが過熱してくると、ルールそのものがだめになってしまう。歴史は繰り返してますから、IMSはどこまで続くんでしょうか。現在私が考える中ではロジックがあるルールですから、十分長生きできるんじゃないかと思っています。IMSに対する個人的な不満を申し上げますと、もう既にIMSタイプと呼ばれる船が出てきてますね。以前、野本先生が、IMSのVPPを実験で検証しなさいとおっしゃってましたが、これは非常に大切なことじゃないかと考えています。

 ORCの中にITCというテクニカルコミッティがあって、そこで毎年IMSのVPP計算式をいじってるわけですが、そのいじり方がどうもインチキくさいというのが、個人的な印象です。ここにいらっしゃる先生方のような人たちに、慎重にきちっとやっていただきたいなと思っています。たとえば増山先生あたりにITCのメンバーに入っていただくというようなことがあれば、いいんじゃないかなと思っています。

 

デザイナーの自分史

 

 図9 7.5mスループ

   今回は自分史をざっと見ていただきましょう。

 図9が私の第一号艇で、木造です。横山晃先生のところに私が入れていただいたのが1963年で、これは69年の設計です。このころ日本ではRORCの図面計測の時代です。私はオリン・スティーブンスさんが大好きなんですが、この頃あの人のワントンで、<竜王>っていう船が入ってきたんですね。それを見たとき、非常に衝撃的な感慨がありまして、それをお手本にしたわけです。この頃7.5m以上は40%というばかばかしい税金がありましたから、当然7.5mで考えたものです。

 その頃横山先生が、保針性のいい船は、ヒールしたときの各セクションでの浮心の移動位置を前後につないだ曲線が、滑らかでなければいけないと言っておられた。先生の説では、滑らかというだけではなく、バウの方から上がったら上がりっぱなしじゃなければいけないというわけです。そうすると、スターンの幅がどうしても広くなって、RORCのルールではすごく損をする。私は、レース艇がみんな保針性が悪いわけじゃないんだから、この説はちょっと眉唾じゃないかと思っていまして、この船でもってそれを実証してしまって、先生と大喧嘩しました。悪いことしたなと思ってます。この1号艇が<昌代>で、同型が<寿限無>、<田吾作>、<雲助>といいます。

 図10 <ムーンレーカー>

 図10がその次、IORの初期の頃の73年に描いたもので、<ムーンレーカー>というクォータートナーです。これは私にとって非常に懐かしいもので、自設計、半自作、オーナー・スキッパーで、いくつかのレースで勝ちました。FRPで作りましたが、約10艇出まして、よかったなと思っていたら、第一次オイルショックで、ポシャッてしまいました。

 図11 <Mermaid 掘

 それからその次の図11が、<ムーンレイカー>の欠点を自分なりに直した艇で、8.8mです。<ムーンレイカー>は、バウがちょっと膨らみすぎていて、セールエリアが小さくてパワー不足だったこともあって、微風で波があると非常に波切りが悪い船だったんですが、この船ではバウをファインにしまして、結果的にうまくいきました。この船は、例の堀江謙一さんが270何日かで無寄港世界一周したときのものです。

 堀江さん関連で申しますと、図12はアルミの35フィートです。75年に、沖縄海洋博のサンフランシスコ-沖縄のシングルハンドレースに出た船です。追風のレースということで、センターボードにしています。このセンターボードの口を塞ぐのがうまくいかなくて、かなり抵抗があったと思います。残念ながら、スタートしてわりとすぐに、ブームを折って負けてしまいました。このレースでは、例の<ウイング・オブ・ヤマハ>の戸塚さんが優勝しまして、この前亡くなった武市さんが二位になっています。

 図12 <Mermaid 検
 後にこれを固定キールに改造しまして、あの縦周り世界一周に使いました。日本からハワイ、ケープホーンと回ってバーミューダに行き、さらにグリーンランドのバフィン海に入って、北西航路に出ていますが、途中何度も座礁しています。ベーリング海に出て、アリューシャンのダッチハーバーまで行きました。ここからハワイに行く途中で、ディスマストして360度ロールをやった。水が膝まで来たそうです。15分ぐらい起きなくて、かい出すのに56時間かかったと、彼は言っていました。スタビリティのAVS(復元力消失角)を調べますと、センターボード艇で106度しかなく、固定キールに直した後でも110度プラスぐらいしかありませんでしたから、よく生きていてくださったというものです。

 図13 <無双>

 図13は、やはりその頃、ハワイから沖縄までの海洋博のレースに参加した<無双>という船で、これもアルミでつくりました。ヨットを作った人なんか居ない川口の鉄工所で、トンテンカンやりまして、未完成でハワイに持って行って艤装しました。この船では、たとえば月夜に虹を見たとか、一日一杯の水しかなくなって熱くして飲んだとか、いろんな面白い思い出があります。

 図14 クォータートナー

 次は図14のクォータートナーで、私がレースに決別をした原因になった船です。78年にクォータートンワールドが日本で行われましたが、この船は、その前の年の予選で惜しくも二位になりました。ですからもちろんワールド出場の権利はあったんですが、チーム作りに失敗しまして、レースがいやになっちゃってやめました。

 図15 43フッター

 図15は、私がやった中で木造の最後の船で、43フィートです。大体20年ぐらい前ですが、2、3年前にログが5万マイルを越えたといっていましたから、アマチュアのクルージングボートとしては、よく走ったと思ってます。建造地が小豆島だったものですから、初航海で横浜まで回航してきました。かなり時化ていましが、着くなり、ちょっとおかしいから見に来てよというんですね。行ったら、たしかに船内のバースの縦壁が少し動いている。お前なんかやったんだろうとクルーにこっそり聞いてみると、要するに座礁して箝口令しいてあったんですね。その後も2回ぐらい当てています。かなりかわいそうな船で、去年の暮れには、相模湾で丸太にぶつけて、スケグがポキッと折れてしまった。まあ、今なんとか動いています。

 図16 アイスヨット

 そのほかにプロダクションボートを何艇か作っていますが、それとは別に、大失敗作をご紹介しなきゃいけないと思います。図16のアイスヨットです。これは、そもそも堀江さんのアイデアで、日本からベーリング海を抜けて、氷が出てきたらアンカーをポンと放り上げて、それで船を氷の上に引っ張り揚げて北極まで走っていきたいというわけです。天才で異星人の堀江さんならではの凄い話です。

 この船ではいろんな失敗をしました。実は、マイナス25度以下になりますと、氷や雪は少しぐらい圧力を掛けても融けませんから、砂みたいになってて、簡単には滑ってゆけないんですね。それに、この辺りは基本的に気温が低くて高気圧ですから、風がない。ときたま風が吹けば、ブリザードで何も見えなくて走れない。こんなことは、ちょっと考えれば分かりそうだと思うんですがね。

 事前にアラスカの北端のポイントバローまで、一応は見に行って、フェアバンクスの大学の先生やアメリカ海軍の極地研究所の人たちとか、いろいろな人に話を聞きました。春先に行ったんですが、もうアイスリッジがずいぶんあるんですね。こりゃ無理だといったんはあきらめかけました。そのときに、日本山岳会のメンバーで、雪上スクーターで北極に行きたいという人が一緒だったんですが、その人の話で、カナダの多島海側はアイスリッジなんかなくて真っ平らだから、いけるんじゃないかというんです。そんな馬鹿なと思ったけど、まあ行ってみました。エルズミア島のレゾリュートまで船を持っていったんですが、道路はありませんから、飛行機の貨物室の大きさまでバラして、着いてから組み立てました。

 現地の人たちは、かなり好意的に見てくれていました。彼らも、行けるわけはないと思ってはいるわけですが、じゃ一回、途中どうなってるか見て来いよというので、結局DC-3という貨物機に燃料入りのドラム缶を沢山積んで、北緯83度のなんとかいう島まで飛びました。やっぱりアイスリッジばかりで、とても可能性はないということで、私は先にさびしく帰ってきました。ボートそのものは、天気が良くて風があるときには走りましたが、ステアリングは相当難しく、雪だまりに突っ込むと止まりました

 結局この船は大失敗でしたが、とても面白い経験でした。レゾリュートのホテルの中は暖房が効いていて暖かいんですね。部屋の温度調節は、窓の上に四角い板があって、開けると中とツーツーになる。それだけです。外はマイナス何十度ですから、ちょっと開けておくとかなり冷える。そこにワインのボトルを置いとくんですね。するとシャーベットになる。これはうまかったですね。

 そんなこんなで、アメリカズカップをやるまで大体一年間4、5隻のペースでやってきましたが、それ以降はバブル崩壊、不景気ということで、この5年間くらいで7、8艇でしょうか。

 

気になっていること

 

 アメリカズカップの節は、先生方にずいぶんお世話になりました。例の船型委員会では、難しい話がいきなり出てくるものですから、しばらくは家に帰ってもNSソルバーとかストリップ法とか呪文を唱えていましたが、あの期間に勉強させて頂いて、後で自分の力になっております。有り難うございました。

 今でも分かっているようでよく分からないのが、プリズマティック係数Cpとかエリアカーブです。もちろんセーリングヨットの場合、風の力で走るわけで、スピードを一義的に決められませんから、どれがいいかというのは分からないわけですけど、オーバーハングの形なんかで、すぐ変わってしまう値ではないかと思うんですね。たとえば、排水量長さ比(DSPL)1/3/(LWL)とフルード数FnとCpの関係が明らかになるような資料はあるのでしょうか。それからCpの中にアペンデージをどこまで入れるべきでしょうか。

 山名先生の飛行機設計論の中にでてくる機体整形法というのでは、全体の断面積変化を考えていますね。実際の飛行機でも、胴体と翼の断面積の連続性を考えて、翼の付け根に相当大きなフェアリングがついている例が多い。これはヨットにも取り入れる価値があるのかなと考えています。断面積変化が造波に関係するという意味で考えると、造波への影響が深さ方向に指数関数で減るのならば、断面積変化はどのように捉えればいいのだろうか。そういった場合に、通常の方法でのエリアカーブの肩張り、肩出しというものが、どれほどの意味があるのだろうかといったことを疑問に思っています。

 エリアカーブとCpというのが、連動しているような連動してないようなものですね。LCBがまあ連動しているわけですが、これと排水量長さ比とフルード数との間に、何かヨット船型についての最適値みたいなものがあるのでしょうか。

またエリアカーブでいいますと、丸尾先生の極小造波抵抗論による船型では、フルード数の高いところで、かなり前の方に膨らみがありますが、あれはどういう意味なのでしょうか。それから日下さんの流線追跡法による日下船型ですね。あのエリアカーブも、不連続ではありませんが、かなり膨らみを持っています。あの辺のことが一体どういう意味なのか、妙に頭に引っかかっていて、非常に興味があります。

 キールとかラダーについては、スパン方向の圧力分布が問題だと思います。一時ヨットのデザインで、ミッキーマウスの耳みたいな形の、いわゆるエリプティカル・キールというのが流行った時代があります。エリプティカル・ローディングであれば、誘導抵抗が減るということなんでしょう。翼の側面形状が与えられたとして、スパン方向のロード分布が出せるものなら、たとえばラダーの圧力分布を細かく計算してラダーシャフトの位置を決めれば、軽量化ができるのでしょうか。 ラダーに関しては、CL=1.2くらいに相当する力が面積中心にかかると考えてラダーシャフトにかかるトルクを計算すると、大体合います。そういう意味では支障はないんですが、やはり計算で出るのなら出したいと思います。

 セールプランについては、大橋さんのヨット塾(「ヨットの科学」講演会)での永井さんの講演で、フラクショナルリグではメインセール上部の効率が非常に高いということが、計算から出てくるというお話がありました。これとマストヘッドリグを比べたら、一体どっちが有利なのでしょうか。もしジブの上端からボーテックスが出ているために、メインセールの効率が良くなっているのならば、積極的にボーテックス・ジェネレータを利用する可能性はあるのでしょうか。

 それから、増山先生がやっておられるタッキングのシミュレー ョンですね。あれを使って、タッキングの後の加速性みたいなものを、排水量、長さ、セールエリア、セールプランなどに関連して求めることができるのでしょうか。今のところIMSのハンディキャップでも、タッキング後の加速性なんていうのは入ってないですね。そうすると加速性のいい、軽い艇が有利になってきます。その辺を正しくエスティメートすることはできるんでしょうか。アメリカズ・カップでいえば、Jを大きくしたら加速性が良くなるということは、確かにあったんですね。どういうタイプのボートでもこれが当てはまるのだろうかと、今でも疑問に思っています。

 将来は、バランスリグを少しやってみたいなと思っています。エアロリグと称するものなど、ブーム一体型のバランスリグというのは、かなり出てきました。今日はご欠席ですが、ヤマハに居た永海、香取組がボートショーに出したバランスリグ、あれも非常にシンプルでいいなあと思ってます。実はいまデザインしているのが、たまたまちょっと変わった船で、ジャンクリグを付けることになりました。多田納先生から参考書をお借りして調べてみたら、やっぱりバランスリグはとても面白いものですね。これを発展させて、ソリッドセールではなくて、畳めるソフトセール、それも一枚じゃなくて二面、つまり圧力側と負圧側と両側をもったセールでバランスリグを考えてやれば、かなりのCL範囲で使えるんじゃないかと思います。ただし、それをどうやって扱いやすい形に実用化するかが問題です。実は、日本の提灯ですね、あれがぶら下がってるのを見ると、風が一定だとかなり周期的に揺れて居て、ダウンウィンドボーテックスが出てるなあと思いますが、こんな提灯のようなものとか、ブラインドみたいなものなどを組み合わせると、面白いシステムができるんじゃないかと思っています。もしそれがうまくいきましたら、赤く塗って中に灯をともそうかと、さように考えております。

 どうもご静聴ありがとうございました。

 

Appendix   レーティング・ルールの変遷

 

 

Tonnage Rule (17世紀?)

   

 

Builders Old Measurement (1773)

   

Thames Tonnage (1854)

   

 

YRA (1881)

   

 

Dixon Kemp (1887)

   

 

Seawanhaka (1883)

   

 

YRA. R.E. Froudes Linear Rule (1896)

   

 

IYRU (1906)

   

 

IYRU (Revised)

   

 

Herreshoff Rule (1902)

   

 

Universal Rule (1909)

   

 

BRA (1912)

   

 

BRA revised (1925)

   

 

RORC Rule (1931)

   

 

RORC Revised (1957)

   

      

 

CCA Rule (1932)

   

      

 

CCA Rule Revised (1957)

   

      

      

 

International Offshore Rule (IOR)(1970)

   

      

 

Measurement Handicap System (1976)

 

International Measurement System (IMS)(1985)

 



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