第27回セーリングヨット研究会議事録


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1.日 時:2005年 3月 12日(土)

        13:30〜    研究会
        17:30〜    懇親会


2.場 所:

        研究会 - 金沢工業大学工学部 機械系会議室
        懇親会 - ホテル朱鷺の湯


3.出席者:(敬称略、順不同)

安部,雨宮,市川,木下,小暮,小林,桜井,高石,寺尾,永海,西川,林,東野,藤井,藤瀬,増山,松井,丸尾,村尾,三井,山口,横井
(オブザーバ)長崎秀司(九大),円満隆平(金沢工大),木下千種(NHK金沢),   (バス運転手)柳浦正勝, (増山研学生)宇野雅彦,荒川英樹,岩勝彦(合計29名)

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4.議 事

(1)「風神」による伸子帆の空力性能試験 荒川英樹(金工大院)

 金沢工業大学において実施してきた、空力実験船「風神」を用いた伸子帆の性能試験結果を報告した。セールダイナモメータの較正試験、傾斜試験を含め、定常帆走試験および操縦運動試験の詳細について述べた。定常帆走試験では伸子帆の空力特性ならびに帆形状の測定結果を示し、特に風上性能は近代的なマルコニーリグにほぼ匹敵する性能であることが分かった。一方操縦運動試験では、下手回し、上手回し時の航跡ならびにセール流体力の時間的な変化を測定し、タッキングが非常に容易であることを示した。

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(2)小型水中翼艇の走行シミュレーション 宇野雅彦(金工大院)


 全長6m、全重量120kg、一人乗りの小型水中翼船の6自由度走行シミュレーションを行い、実測データと比較した。対象とする船は全日本ソーラーボート競技大会規格に適合するもので、全没型の水中翼を前後にタンデム型に配置したものである。この船は、縦方向の安定性は、浮上高さを測定して前翼迎角をコントロールすることによって自動的に保っている。しかしながら、横方向のコントロールシステムは持っておらず、乗員が舵操作や体重移動を行なうことによって安定を保っている。このような水中翼船が、静止状態から加速して水中翼浮上する過程や、旋回操縦運動時の様子について、6自由度の運動方程式を立ててシミュレーションを行なった。この結果は実測データと比較し、よく一致することを示した。

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(3)海王丸の事故と今後の対応について 雨宮伊作

かつてセイリングヨット研究会の開催会場ともなったことのある、練習帆船海王丸は、平成16年10月21日、台風23号の来襲に伴い、避泊中であった富山港外の錨地から走錨し、岩瀬漁港の防波堤横に座礁した。 研究会員各位からは、暖かな励ましの言葉や、様々な援助の申し入れがあり、心からお礼申し上げたい。今回は当時の気象状況、走錨に至る経緯等を報告するとともに、その後の救助活動や、船体の復旧状況等について説明した。  あわせて、海難再発防止策として航海訓練所が講じている諸策について述べるとともに、中でも、検討中の波漂流力を考慮した守錨基準について紹介し、簡便な波漂流力の推定法があり得るか、これらから波漂流力を考慮した守錨基準が作成することができるかについて、この分野の世界的権威である丸尾先生、木下先生をはじめとする研究会員の皆様からご意見をいただいた。




(4)帆走型メガフロート風力発電 木下健

木守り柿型のエネルギー生産の観点から考案された非係留式洋上風力発電,すなわち帆走型メガフロート風力発電の構想とシステム検討について解説した.

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(5)WIGのRC実験 村尾麟一

ラジコンを利用したWIGの飛行実験について,ビデオを交えながら解説した.




(6)最近のセーリングスピード記録について 林賢之輔

WSSRC Ratified Passage Records,Ocean Race Records,Around the World Eastbound Non Stop Records,Longest Distance Run in 24 Hours,ISAF / WSSRC Current World Records: 500 Metre Courseなど,最近のセーリングスピード記録について紹介した.

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(7)第17回Chesapeake Sailing Yacht Symposium報告 増山豊

 2005年3月5日、6日とアメリカのアナポリスで開催された、標記シンポジウムの概要について報告した。参加者は約130名、論文数は16件で、アメリカの他、フランス、イタリア、ドイツ、オランダ、オーストラリア、トルコ、日本からの発表があった。ヨット船型へのCFDの適用に関しては、システム化してあれもできるこれもできるといった、見栄えのいい紹介が多かった。イタリアからは“イル・モロ・ディ・ベネチア”チームのAC級の水槽試験結果に関する詳細な解析結果が報告された。オランダのデルフト工科大学からは、デルフトシリーズのデータにタッキングシミュレーションを組み合わせる試みが発表された。しかしながら発表者のKeuning教授が、オランダの空港が吹雪のため飛行機が欠航となって出席できず、代理発表となった。日本からは増山が、桜井教授、深澤教授との連名で弁才帆と伸子帆の空力性能の違いについて発表した。CFDの図の並ぶプロシーディングの中に突然、弁才帆や伸子帆といった古風な写真が入るのはやや異様ではあったが、実験手法の確かさや実験データの密度の濃さなどから高い評価を受けたと自負している。特に、伸子帆に関してはH. G. Haslerが1960年の大西洋横断シングルハンドレースに用いて2位になるなど、西洋のヨット乗りの中でも性能の高さが認められているが、これまで空力性能が報告されたことは無かった。本報告はこの空白を埋める貴重なものと考えている。  なお、このシンポジウムを主催しているSNAME(アメリカ造船学会)のTechnical Committee の内の、Small Craft Panel (SC-2): Sailing Craftが活動を活発にするため、運営メンバーを新しく募るとの報告が、新しいChairmanであるWilliam C. Lasher (Penn State 大学準教授)からあった。主にe-mailによる意見交換を行なうがSteering Committee Member(15名)は2年に1回程度(CSYS開催に合わせて)集まるが、それ以外のCorresponding Memberはその必要は無いので多くの人に参加してほしいとのことであった。特にSNAMEの会員でなくてもいいので、当研究会会員で参加希望の方は増山までお問い合わせ頂きたい。

SC-2パネルの広報pptファイルはこちら
CSYSのURLはこちら



5.懇親会

恒例の「朱鷺の湯」で,焼き牡蠣をいただきながらの懇親会となりました.牡蠣だけでおなか一杯になるなんて,そうそう経験できるものではありません.



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5.見学会

翌日は雪が積もっていましたが,朝から金沢工業大学の穴水湾自然学苑の見学をさせていただきました.



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7.次回予定

   日時:平成17年10月22日(土)
   場所:夢の島マリーナ



(文責;増山,東野。なお一部の講演要旨は講演者ご自身に記述いただきました。)

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