第26回セーリングヨット研究会議事録


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1.日 時:2004年 11月 27日(土)

        11:00〜    会員近況報告
        13:00〜    研究会
        17:30〜    懇親会


2.場 所:

        研究会,懇親会 - 横浜ベイサイドマリーナ


3.出席者:(敬称略、順不同)

永海,横山,丸尾,今北,桜井,山口,市川,寺尾,松井,森,増山,沢地,東野,東島,藤瀬,堀内,林,平山,梅田,大橋,高橋,金井紀彦,横井,矢島,深澤,西川,木下,小林,宮下(合計29名)

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4.議 事

(1)水中翼ウインドサーフィンについて     堀内浩太郎

現在進めている表記の開発について中間報告をした。最近他に翼走高さを乗り手がコントロールして走る水中翼セールボードがセールメーカーのニールブライドから発売されている(http://www.neilprydemaui.com)。この場合、速度が上がるとコントロールが難しくなる傾向がある。現在開発中のものは翼走高さを測るセンサーを持っていて、高さを自動的にコントロールする構造のため普通のセールボードと同じように乗れるのが特徴である。特許の関係で姿をお見せできないのが残念だが、性能の比較(計算)をから見て頂きたい。平均的なセールボードに比較して6?20ノットの間で抵抗が圧倒的に少ない。抵抗が24ノットでクロスしているが、強風には小さな水中翼を使うとこのクロスポイントはもっと高速側に移る。人力水中翼船は水中翼を小さくすると離水できないが、セールなら大丈夫。 来春2月10から13日までの東京ボートショー(幕張メッセ)では実物とともに走航中のビデオを見て頂く積もりなので楽しみにして頂きたい



(2)飛行艇研究の話題    平山次清

横浜国立大学では、従来から船舶の流力性能の研究に使用していた波浪再現長水槽を活用し、飛行艇の自力飛行モデルを離着水飛行させる高速ガイドシステムを作製設置し離着水性能の改善方法やシミュレーションのためのデーターを計測してきた。長水槽で水上飛行機のフロートや飛行艇の艇体の流力特性を計測する実験は既に70年以上前から実績があるが自力飛行モデルをガイドし波浪中も含めて計測し得るシステムは横浜国立大学のものが世界的に見ても最初と思われる。講演では波浪海面における飛行艇の離着水性能を向上させる研究の一環として空力特性(特に揚力について)の水面、波浪面影響、着水時の運動等について前述の高速ガイドシステムによる曳航・自力飛行実験結果と計算結果との比較について紹介した.

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(3)帆船の安定性:近代セーリングクルーザーと伸子帆をもつスクーナー(ラガー)の比較 梅田直哉

帆走中の安定性が近代型セーリングクルーザーと明治・大正期の合いの子帆船(ラガー)でどのように異なるかを調べるため、4自由度数学モデルを用いた 安定性解析を行い、安定限界と発生する不安定挙動の特性を求めた。ここで近代型クルーザーとしてはデータの揃っている金沢工大のKIT-34、ラガーとしては伊勢の市川造船建造のスクーナー「自在丸」に伸子帆を装備したものとした。特に伸子帆については、大阪大学で風洞実験を実施した。この結果、近代型ではクローズホールド、アビーム、ランニングにおいて不安定が生じうるのに対し、ラガーではアビームに限定されることなどが確認された。また速力上り性能では、近代型がラガーに優る程度も定量的に示すことができた。

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(4)空力実験船「風神」による伸子帆性能試験速報  増山 豊

国内の帆船がほとんど弁才船であった明治20年頃、ジャンク型の伸子帆を装備した船が出現し、西日本を中心に急速に普及していった。Chinese Luggerと呼ばれる、竹ざおのバテンを何本も通した縦帆は、弁才帆に比べて上り性能が良く、特に上手回しを容易に行うことができたために、狭い港内の帆走にも向いていたためと考えられる。この我が国における伸子帆の起源に関しては野本先生が、詳しく調査を行っておられた。
 ジャンク型の伸子帆は、上記のように取り扱いやすく性能が良いと言われているが、これに関する性能試験などは世界的にも報告されていない。そこでこれらの帆の性能を、静的な定常性能面からだけでなく、上手回しや下手回しといった、操縦運動性能面からも明らかにするために、空力実験船「風神」を用いて、海上試験を行った。その結果、帆の取り回し勝手や、上手回し時の両セールの性能の違いは明確であり、伸子帆が急速に普及した理由を体感することができた。

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(5)カタマランとトリマランとの抵抗比較計算  丸尾 孟

カタマランとトリマランの推進性能を比較するために長さ76.41m、排水量1,165ton、速力44ktの双胴旅客車両フェリー wavepiercer を例にとって、対応するトリマランとの有効馬力の比較計算を行った。この際トリマランの中央船体はカタマランの片側と相似船型であるとした。その結果アウトリガーの排水量が大きくならなければ、トリマランの方が馬力が少なくなった。

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(6)ブレードに働く非定常流体力(アスペクト比と端部形状の影響)  宮下雅樹

本研究では、競漕用ボートにおいて、現在主に使用されているオールブレードに対し、アスペクト比やブレード先端形状を変化させた、計4 種類のオールブレードに対して 回流水槽実験を行い、漕艇機械効率に大きく寄与する直圧力係数に対する、アスペクト比とブレード先端形状の影響を調べた。実験結果より、現状のオールブレードよりも低いアスペクト比のブレード、さらにブレード先端形状がデルタ翼型のものが、より大きな直圧力係数を得ることが分 かった。これにより、アスペクト比やブレード先端形状の変化によって、競漕用ボートの漕艇機械効率を向上させることが可能であることを示すことができた。

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5.懇親会



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7.次回予定

   日時:平成17年3月12日(土) 13:30〜16:30
   場所:金沢工業大学工学部 機械系会議室
   懇親会ならびに宿泊:石川県鳳至郡穴水町
             ホテル朱鷺の湯  TEL:0768-52-2552
      http://www.onsen-hot.com/hokri/isikawa/tokinoyu/top_toki.htm


(文責;増山,東野。なお一部の講演要旨は講演者ご自身に記述いただきました。)

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