テスト用随伴艇とコンセプトボート


03.12.19 堀内浩太郎

今までにお話したセールや細いシーカヤックのテストをするのに随伴艇がなくて不便でした。しかし鎌倉はモーターボートを置くのに不便なところなので自宅から気楽に運べるカートップボートを自作しました。折角作るなら画期的に軽い舟を作ろう。そして折角なら私一人のためだけでなく、釣り人に喜ばれる舟にしてみたい、そう考えて作った舟です。金井さんからスティッチ&グルーの舟を見せてもらって、その軽さに驚いていたので、自分も作ってみたいという気になったこともあります。

スティッチ&グルーの舟には合板を使うから、紙模型が作りやすいのです(図1)。形やカラーリングをチェックすることができるので大変助かります。
合板の縁に孔を明けて銅線で縛ると、1日で舟が形になります(図2図3)。
金井さんが輸入しているマリングレードの合板はとても軽く、各層の厚さがほぼ同じ(等厚)です。そのため普通の合板より遙かに異方性が強く、木目を注意しないと、私のように底板を張り直すような大仕事になります(図4)。底板はガラス布を張って強度を上げ摩耗の対策とします(図5)。塗り上がって芝生に置いてみると、ワニス塗装と白のコントラストが綺麗でした(図6)。この状態で3.5m×1,7m3人乗りの舟が34.6kgでした。

この舟を一人で海に浮かべる工夫です。ルーフラックにフェンダーと両端が輪になったひもを二組ぶら下げ、下の輪をボートの右舷外側にある丸いボタンに引っかけます(図7)。そうしておいて左舷を持ち上げると、20kg位の力で上がる訳です。一度舟をルーフラックに立てかけ、下を持ち直してルーフラックに上げます。片腕でも持ち上げられる程で、従って両手を使えば軽々と上げることができます(図8)。

逆の手順で降ろすこともできます。トランサムには引っ込み脚が付いているので、8馬力のエンジンや燃料を載せてバウハンドルを曳いて水際に行けます(図9)。ぼけた写真ですが、2人乗り、3人乗りで軽快に走ります(図10)。


コンセプトボート2003は英国舟艇工業会 が王立造船学会 のサポートを受けながら実施している舟艇のデザイン・コンペティションで、昨年から始まり、今年は2年目です。毎年100程の応募を集め、その中から約20案の入賞案 を選んで、サザンプトン、ロンドンのボートショーに大きな絵と共に展示し、またホームページにも発表します。ロンドンのボートショーでは、その中の3位までの勝者の発表と賞金の授与があります。詳細はホームページwww.conceptboat.comで見て頂けます。

小生の案が昨年に続いて入賞しましたので、その案をご紹介します。まず俯瞰図です(図11)。長さ30ftのモーターセーラーで普通のヨットに近い帆走性能がありながら、200馬力の船外機によって30ノット出ます。また8馬力のハイスラスト船外機によって5ノットでトローリングを楽しめ、また2000kmの航続距離を生かすことができます。それに必要なバラストキール、船外機、舵などの組み合わせを変えるのは面倒な作業ですが、それをボタン一つでやれるようにしました(図12)。
船型、帆装、パワーリングに数々の工夫を凝らした細部を見て頂けます(図13)。特に滑走と帆走にそれぞれ船型を合わせる工夫や、ハンドルだけで帆走できる工夫など見て頂ければ幸いです(図14)。図15は側面上からの図。図16は後面を示しています。

図17には、ホームページにある審査員の評価をそのまま載せました。
12月に入って、残念ながら私のエントリーが3賞に入らなかった旨の通知が来ました。ところで来年は英国環境省をスポンサーにして「環境に優しいボーティング」を命題として「コンセプトボート2004」を開催し、作品を募集するということです。皆様も参加されるようお勧めします。